10月 豆知識

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赤ちょうちんは熟した果実!?

 

赤色は食欲を刺激する

人間は赤い色を見ると副交感神経が刺激されて、食欲が湧いてしまうのです。そのせいか、ハンバーガーや牛丼などのファーストフード店の看板は、赤系統の色をしています。また、中華料理店やラーメン屋さんの看板やお店も赤い色をしています。

また、葉物野菜だけのサラダに赤いトマトを添えたり、お好み焼きに赤い紅ショウガを乗せると美味しそうに見えます。どうして、人間は赤色を見ると美味しそうだと感じるのでしょうか。これは植物の進化が関係しています。動物や鳥が植物を食べると、果実といっしょに種子も食べられます。そして、動物や鳥の消火管を種子が通り抜けて糞と一緒に種が排出される頃には、動物や鳥も移動して、種子が移動して散布されるということなのです。種子が熟してくると、果実は苦味物質を消去し、糖分を蓄えて甘く美味しくなります。そして、果実の色を緑色から目立つ赤色に変えて食べ頃のサインを出すのです。緑色は「食べないでほしい」、赤色は「食べてほしい」、これが植物たちが、種子がを運ばせるためのサインなのです。植物の果実を食べて種子を運ぶのは、主に鳥です。鳥は植物の赤い果実のサインに寄ってきます。

 

 

一方、哺乳動物は赤色を見ることが出来ません。

恐竜が闊歩していた時代、哺乳動物の祖先は恐竜の目を逃れて夜行性の生活を送っていました。夜の闇の中で、もっとも見えにくい色は赤色です。そのため、夜行性の哺乳動物は、赤色を識別する能力を失ってしまったのです。

ところが、哺乳動物の中で、唯一、赤色を識別する能力を回復した動物がいます。それが人間の祖先であるサルの仲間なのです。

果実を餌にするために、熟した果実の色を認識することができるようになったから、果実を餌にするようになったのかわかりませんが、こうして私たちの祖先は熟した果実の色を認識して、果実を餌にするようになったのです。

赤ちょうちんの色は、熟した果実の色です。そのため、人間はついつい赤ちょうちんに吸い寄せられてしまうのです。

 

 

 

 

―「面白くて眠れなくなる植物学」より抜粋―